離婚した場合には、そのことを会社に報告する義務はあるのでしょうか?

また、社会保険や扶養控除についてはどのような影響が考えられるのでしょうか。

ここでは上記の点について説明していきます。

離婚した時に会社への報告義務はあるのか?


離婚した場合に社員はそのことを会社に報告する義務はあるのでしょうか?

特に社則などで定められていない場合には、離婚を報告しなければならないという義務はありません。

しかし、以下のような場合には、会社に離婚の事実を報告して手続きを行う必要があります。
  • 夫が妻側の苗字を使っていて、旧姓に戻す場合
  • 妻を扶養家族に入れていた場合
  • 子どもがいて、親権をどちらが取るか決まった場合
苗字が変わると、会社内の公式な文書の名前の変更が必要になってきます。

また、妻を扶養家族にしていた場合には、離婚により妻が扶養家族から外れるため、年金や健康保険の手続きが必要になってきます。

子どもの親権を妻が取った場合、子どもを扶養家族に入れていた場合にはこちらも扶養家族から外すための手続きが必要になります。

夫が親権を取り、もともと扶養家族にしていた場合には特に手続きは必要ありませんが、妻側の扶養家族てあった場合には、子どもを夫の扶養家族とするための手続きが必要になります。

上記の3点以外にも手当など福利厚生の面で手続きが必要なことも考えられるので、離婚の報告義務はありませんが、やはり上司と総務には報告しておいたほうが良いでしょう。

離婚したら会社の社会保険はどうなるのか?


妻と子どもが扶養家族であった場合、離婚することによって妻は当然ですが、親権を妻が取った場合には子どもも扶養家族ではなくなってしまいます。

ですので、扶養家族を外れた場合には当然社会保険も使えなくなり、妻側の会社の社会保険に加入するか、国民健康保険に加入することになります。

この手続きのため、会社側に健康保険の被保険者証を提出する必要があります。

このような社会保険の被保険者になるためには、現在では事実婚でも認められますが、離婚後に事実婚と同様に社会保険を使い続けることは違法になるので、必ず社会保険の対象から外しておきましょう。

細かい手続きは会社の総務が行ってくれるので、離婚した際には必ず健康保険の被保険者証を会社に提出するようにしましょう。

健康保険と同様に年金についても手続きが必要になるので、健康保険の被保険者証と同時に年金手帳も提出するようにしましょう。

離婚した時に会社の扶養控除はどうなるのか>


離婚した際に妻が扶養家族から外れることになるのは前述したとおりです。

この妻を配偶者として扶養控除の対象とするには、妻が民法で定める配偶者であることや収入などさまざまな条件がありますが、それらの条件をその年の12月31日の時点で満たしている場合のみ配偶者控除を受けることができます。

ですので、12月30日に離婚届が受理されてしまうと、その年の配偶者控除は受けられなくなってしまいます。

では子どもの場合はどうなるのでしょうか?

扶養親族とするためには、「所得者と生計を一にする」ことが条件となっているので、妻子に対して常に養育費を支払っている場合には、子どもを扶養親族として扱うことができるケースもあります。

養育費をきちんと送金していても、子どもが他の人の扶養家族または扶養親族となっている場合には、二重に扶養家族にすることはできないので、この点には注意が必要です。

まとめ

  • 会社への離婚の報告義務はないが、手続き等の関係で報告しなければならない場合が多い
  • 離婚した場合には、妻と妻が親権を持つ子供はそれまでの会社の健康保険証を使うことはできない
  • その年の12月31日時点で配偶者控除の条件を満たしていない場合には配偶者控除を受けることはできない
  • 定期的に生活費等を含めた養育費を送金している場合、子どもを扶養親族とすることができるケースがある

ここまで、離婚の事実を会社に報告する義務があるかどうかと、離婚時の保険や扶養控除について解説してきました。

妻は離婚すると自動的に扶養家族ではなくなるため、扶養控除を受けられなくなりますが、子どもに関しては一定の条件を満たせば扶養親族として認められることがあります。

このような税制上の制度を上手に利用して、離婚後の経済的負担を軽減するようにしましょう。