統計によれば、現在の日本では2~3分に1組のペースで離婚が成立しているといわれています。

夫婦に子供がいる場合、多くは妻が引き取るため、人々は「離婚そのもの」よりも、シングルマザーの生活の方への関心が高いといえます。

こういった社会情勢の下で見落とされてきたのが、「痛めつけられてきた夫」の現状です。

育児や家事をまともにしない妻の怠惰、妻の浮気、妻からのDV等、妻が原因で苦しむ男性は多数存在します。

男性が妻との離婚に踏み切るにあたっては、いくつもの阻害要因が大きな壁として立ちはだかります。

今回は特に、マイホームの住宅ローンが完済できていないケースに焦点を絞って、妻との離婚準備を考えます。

妻と離婚したい場合の「持ち家問題」を考える


住宅ローンが残っている人が離婚に踏み切る場合、悩みの種となりやすい事柄を以下にまとめます。

■住宅ローンを抱えた夫の悩み(例)
  • 離婚後、持ち家に自分が住み続けるのか
  • 離婚後は持ち家に妻を住まわせるのか
  • ローンの名義変更ができるか否か
  • 連帯保証人の変更ができるか否か
  • 不動産としての名義はどうするのか

これらの問題をクリアしていくにあたり、夫の選択肢がいくつもあることはお察しいただけるかと思います。

仮に、妻と子を持ち家に残し、自分が出て行くことを選択した夫にとっては、新たな問題が2つ出てきます。

1.自身の引っ越し問題(仕事に通える範囲内での物件探し)

2.元妻が暮らす家のために多額のローンを払い続ける苦痛

「妻との離婚準備」住宅ローンの名義変更はできる?


住宅ローンの名義人は、多くの場合「夫」としている家庭が多いようです。

しかしながら、双方に安定した収入のある夫婦では「夫婦でローンの名義人」になっていることもあります。

債務者(ローン名義人)は自分だけなのか、或いは連帯債務者(自分も妻も債務者)になっているのかを掴みましょう。

基本的に住宅ローンの名義人になる際には、「名義人本人がその物件に住むこと」が条件になっています。

夫が住宅ローンの名義人であり、離婚後もその家に自分が残るというのであれば、名義人変更の必要はありません。

離婚に向けて、住宅ローンの名義人を妻に変えたいという場合は、ローン契約をした銀行等の金融機関に申し入れをすることになります。

但し、銀行側は契約時に厳しい条件・審査の上でお金を貸したわけですので、債務者側の状況が変わったことは歓迎しません。

また、不動産そのものの名義をどうするのかの問題も残りますが、不動産の名義を変更するに際しても、銀行の承認が必要になります。

行動を急いだことで、住宅ローンの一括返済要求をされてしまった名義人も少なくありません。

いざというときのために、財産である持ち家を売却した場合はいくら位になるかを知っておくことが重要です。

財産である持ち家を売却し、住宅ローンの残高を軽くするという方法もあるからです。

なお、持ち家の売却は「競売」にかけられたときよりも、「任意売却」の方が高い値が付くことで知られています。

失敗のない手順でローン問題を解決したい場合は、法律事務所の力を借りることをお勧めします。

「妻との離婚準備」住宅ローンの連帯保証人を変更したい


多くの夫婦は住宅ローンを組む際、「夫を債務者(ローン名義人)」「妻を連帯保証人」にしているようです。

もしもローンの支払いが滞れば、債務者に代わって即座に支払うことが義務づけられているのが「連帯保証人」です。

連帯保証人には、「私には払えない」と言う権利がありません。

また、「名義人は〇〇さんだから、あの人にもう一度請求してみてください」と言う権利もありません。

名義人(債務者)が経済的に余裕があってもなくても、銀行側(金融機関側)は容赦なく、連帯保証人に支払いを求めます。

お金を貸した側は、お金のある人を選んで支払わせるのではなく、滞納が見られたら即連帯保証人に支払ってもらうという契約の通り、当たり前に行動を起こしているだけのことなのです。

連帯保証人になっていれば、例え支払うお金がなくても、支払わなければなりません。

連帯保証人を変更する際には、この点をよく考慮して決定することが重要となります。

離婚後に大きな痛手を負わないために、離婚をする際「連帯保証人から配偶者を外す」人は多いようです。

なお、持ち家とは夫婦にとって「大きな財産」でもあります。

離婚することになれば、「財産分与」の対象にもなりますので、名義人が勝手に売却するという行為はしない方が得策です。

離婚において言い争いが最も激化するのは、マイホーム問題・財産分与問題です。

不動産名義、持ち家の売却(試算)、連帯保証人問題等を進める場合は、弁護士の力を借りることをお勧めします。

まとめ

  • 住宅ローンを背負っての離婚は解決すべき問題が多い
  • 不動産の名義変更、住宅ローンの名義変更は簡単ではない
  • 中にはローン一括返済を求められるケースもある
  • 連帯保証人変更手続きをする際、誰にするかは慎重に考慮しなければならない
  • 持ち家問題と財産分与問題は、離婚協議の「争点」になりやすい

もしも自身が家を出ることになれば、引っ越し費用と家賃+住宅ローンを支払うことになりますので、経済的負担の大きさは計り知れないものとなります。

妻が親権を持った場合は、夫婦の離婚原因が何であったのかは別として、養育費を払う義務も生じます。

中には、「養育費の代わりに住宅ローンを夫が払う」ことで和解が成立することもあります。

しかし、互いが納得し合意が得らえる道を見つけるまでには時間も労力も必要となります。

家や養育費等の「お金問題」は、離婚後に言い争いが再燃するケースが多く存在します。

後々のトラブルを回避するために、離婚調停離婚裁判で離婚条件を充分に固めることも視野に入れた方が良いといえます。

協議離婚(話し合いによる離婚)の場合でも、然るべき「公正証書」を作成し、離婚条件を単なる口約束で済ませないことは大切な視点です。