家庭とは、家族全員にとって「居心地が良い」「リラックスができる」場であるのが本来の姿です。

掃除・炊事・洗濯等の家事は、現代社会では妻の仕事という捉え方はされていません。

しかしながら、夫が圧倒的に外にいる時間が長い場合、家事の分担にも限界があります。

妻が、時間があるのに一切家事をしようとせず、自由気ままに生活を送っているとすれば、夫婦関係が破綻することは充分に考えられます。

今回は、家事をしない妻との離婚をテーマに取り上げます。

堕落した生活を送る妻に対し、慰謝料は請求できるものか否かを実際の事例から探ってみましょう。

また、気になる「子供の親権問題」についても解説していきます。

家事をしない妻と離婚したい場合の留意点


夫から離婚話を持ちかけ、妻が合意さえすれば離婚は成立します。

しかし、夫の収入を当てにし、いわゆる昔の言葉で表現されるような「3食昼寝付き」の生活を手放したくないと、妻が考える可能性は充分あります。

この離婚の難しさは、「家事放棄」がそのまま「離婚条件」として世間では認められていないことにあります。

「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまる行為があれば、離婚裁判で離婚を成立させることは可能です。

たとえば、以下のような事実があれば、夫婦間の「扶養」「協力」「同居」の義務を無視しているという訴求点で離婚が認められることがあります。

■客観的に見て「夫婦間の義務を怠っている」と認めさせるのがポイント
  • 妻が「家事をしないこと」に合理的な理由が見当たらない
  • 夫もできる限り家事をしているのに、妻は協力しない
  • 部屋がどれほど散らかっている状態かの証拠(写真)がある

妻が離婚に合意しない場合は、調停や裁判で離婚を成立させなければなりませんので、「客観性の確保」が要となります。

つまり、客観的な視点から見て「これは酷い」「こんな状態では婚姻生活は成り立たない」と思える証拠が必要なのです。

「家事をしない妻との離婚」慰謝料は取れるのか


調停での離婚とは、裁判官と調停員が同席するものの、基本的には夫婦で話し合うことで離婚を成立させるものです。

調停で折り合いをつけることがなければ、訴訟を起こし離婚裁判へと進めていきます。

裁判は原告と被告に分かれた「戦い」になりますので、夫婦が話し合うことはありません。

勝敗の決め手となるのは、「事実の積み上げ」と「証拠」です。

たくさんの事実と証拠を提示していくことができれば、裁判官の心は動き、あなたの味方になった審判が下されます。

■「家事放棄」以外に妻のマイナス点があれば証拠を集めておく
  • 夫に対し暴言を吐くことがないか
  • 夫を無視した行動を取っていないか
  • 言い争いになったとき暴力を振るったことはあるか
  • 物を投げつける等の行為はないか
  • 酷い浪費癖がないか

家事をしないという程度では、慰謝料が取れない可能性があります。

しかし、上記のような素行の悪さが妻に見られれば、慰謝料は別の理由によって取ることができます。

暴言や無視ならば「モラハラ」、暴力や物を投げつける行為があれば「DV」として慰謝料を請求していきます。

そうなれば、慰謝料は一気に跳ね上がり、中には300万円を超える慰謝料を獲得できるケースがあります。

どんな証拠をどのように集めれば良いかを弁護士に相談することから、準備を始めることをお勧めします。

「家事をしない妻との離婚」子供の親権はどうなる?


日本では、子供の親権のほとんどを母親が取っています。

現在の一人親世帯の9割が、母子世帯であることから見ても、その実態はおわかりいただけるかと思います。

夫婦関係が完全に破綻していたとしても、妻が子供の身のまわりのことに関してはしっかりやっているということがあります。

仮に夫にはきつい態度や暴言が見られるものの、子育てという面で問題なしということになると、親権は母親に取られやすいのです。

特に子供が10歳未満の場合は、親権は母親が有利になります。

どうしても親権を取りたいということになれば、妻としてではなく、子供の母として失格であることを証明する必要があります。

協議(話し合い)離婚において、親権を夫に譲る妻はほとんどいません。

慰謝料問題と同様、離婚裁判で客観的な審判を下してもらう以外に、親権を取る方法はないといえるでしょう。

裁判となれば、当然ながら親権問題においても事実や証拠を押さえておくことが必要です。

子供に食事を与えない、家に子供だけを残して夜遊びに出かける等、母親としての責任感の欠如があるなら、証拠を押さえておきます。

まとめ

  • 家事放棄は離婚理由としては弱い
  • 家事をしない妻との離婚を成立させるには、家がどう荒れているかを客観的に証明する必要がある
  • 離婚裁判では、事実と証拠の提示が必要となる
  • 家事放棄以外にも、妻の行動面に問題があるなら証拠を集めておいた方が良い
  • 日本では親権の9割を母親が取っているのが現状である

時間があっても家事をしない妻の場合、家事放棄以外にも様々な点でルーズな行動が見られることがよくあります。

家事をしないという面は氷山の一角であり、遊び癖がある、育児放棄をしている等の問題が潜んでいる可能性もあります。

裁判になれば戦いになりますので、勝訴するための材料はでき得る限り集めておくべきです。

離婚話を切り出す前に、妻をよく観察し、問題点を把握し、勝つための準備を進めておきましょう。